いまの世界のUFO(未確認飛行物体)や異星人問題について考える際、どうしても知っておかねばならない事として「ロズウェル事件」があります。これは1947年7月にアメリカ合衆国のニューメキシコ州ロズウェル付近に未確認飛行物体(UFO)が墜落し、アメリカ陸軍により回収されたという事件です。
・概要
この事件の発端となったのは、1947年7月8日にロズウェル陸軍飛行場(RAAF)が発表したプレスリリースです。このプレスリリースの中でアメリカ陸軍は「第509爆撃航空群の職員がロズウェル近辺の牧場から潰れた「空飛ぶ円盤(Flying Disc)」を回収した」と発表しました。しかしそれから数時間後、第8航空軍司令官はこのプレスリリースを訂正し、「RAAF職員が回収したものは空飛ぶ円盤(Flying Disc)ではなく、気象観測気球であった」と訂正発表したのです。
・墜落現場
この墜落現場については、当初1か所であると言われていましたが、最近では2か所であると言うのが定説となっています。
第一墜落現場:北緯33度57分0.1秒 西経105度18分51.2秒
第二墜落現場:北緯33度54分58.2秒 西経108度13分24.8秒
・概要
1947年6月14日、農家のウィリアム・マック・ブレイゼルは牧場内に帰命な残骸がある事に気づいたと言います。この牧場はロズウェルの北約70マイルにあるJ・B・フォスターが所有する牧場で、ブレイゼルはその管理を任されていたのです。ただ彼が正確に残骸を発見した日付については、いまだ議論の的になっていますが、ブレイゼルから知らされた保安官であるジョージ・ウィルコックを引用するテレックスの中に、この6月14日という日付が出て来ています。
ブレイゼルが残骸を発見した日は、嵐で落雷も凄かったと言われています。この事からUFOもその落雷の影響で墜落したのではないかと言われていました。ブレイゼルは残骸を発見した後、保安官であるジョージ・ウィルコックに報告し、保安官からロズウェル陸軍飛行場に連絡が入り、陸軍が現場を見にやってきたと言います。現場には様々な破片が散乱していたので、軍がその一帯を封鎖してサンプルを持ち帰りました。その後、軍の報道官が「空飛ぶ円盤(Flying Disc)」を回収したと発表したと言うのです。
またこの時、軍には別の情報が入っていたと言われていて、そこは牧場から200キロ離れたサンアウグスティンという場所で、そちらにもUFOの様な機体が落ちていたと言われています。この事からロズウェル事件には墜落現場が二か所あったと言われています。
このサンアウグスティン近辺では、テキサス工科大学の考古学者、ウィリアム・カーリー・ホールデン教授の一団がフィールドワークをしていました。そこに10メートル位ある物体が墜落したので、彼らは驚いて警察当局に連絡すると、消防署にも連絡が入って、軍と消防署で現場にやってきたと言います。そしてそこで考古学者も一緒に円盤状の墜落物ち、その中にいる搭乗員とおぼしき生物を目撃したと言われています。
ロズウェルで生きた異星人も回収されたという話が、今では当然のように語られていますが、実はここで回収された異星人の姿と飛行物体には、複数の証言があります。
一つは円盤状(一般的なUFOの形)の飛行物体が墜落したという話と、もう一つは半円形の飛行物体であったという証言もあります。また異星人にしても、いま良くエイリアンと言われる頭部がとても大きく、大きな目の「グレイ・タイプ」のエイリアンであったという説もあれば、実は小人で顔つきは東洋人の様だったという話もあります。
この当時、このロズウェル事件はそれほど大きな騒ぎにならずに収束したのですが、1989年に元葬儀屋のグレン・デニスが「ロズウェル基地でロズウェル異星人死体解剖が行われていた」という証言が行われ、それを受けてニューメキシコ州選出の下院議員スティーブン・シフは空軍に対して会計監査を要求し、これを受けてアメリカの会計検査院は調査を開始、空軍長官室に内部調査を指示、その結果「ロズウェル・リポート」としてまとめられました。このレポートは1995年と1997年の2回、内容が公表されましたが、ともにこの墜落は秘密計画による航空時の墜落事故で、回収された死体は擬人ダミー回収であったとされていたのです。
この事件については、1990年代初頭に、フリードマン、ウィリアム・ムーア、カール・フロック、ゲヴィン・ランドルン、ドン・シュミットのチームで、ロズウェルに関係を持つ、また持ったと主張した人達数百人にインタビューし調査を行いました。この調査で彼らの結論は、少なくとも一機の異星人の乗り物がロズウェル近辺に墜落したこと、異星人が回収されその一部がいまだ生存していた可能性のある事、また事件については大規模な隠ぺい工作が軍により行われていたというものでした。
しかしこのチームに入っていたウィリアム・ムーアは、後々「MJ-12文書」を取り上げたり、そのほかの情報も多く発表していたのですが、それがUFO研究家の間でも疑念を呼び追及されたのち「私は当局の関係者で、フェイク情報を流す仕事をしていた」と証言してしまった事から、これらロズウェル情報の信ぴょう性も、どこまであるのか疑念が持たれる事にもなってしまったのです。
・まとめ
このロズウェル事件については、様々な情報の尾ひれがついてしまい、どこまでが事実でどこまでが虚構なのか、わからないものとなっています。近年では墜落したUFOは地底文明の乗り物であり、異星人ではなく地底人という話も出て来ています。
ただ言える事は、第一発見者であったブレイゼル氏の子息や、軍の担当者であったジェシー・マーセル少佐の子息などが証言を残しており、彼らはそこで地球上ではありえない物質を父親が回収したという話や、その現物を見せてもらったという証言もしていますので、何かしらが墜落したのは確かな事であったと思うのです。
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