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22/10/10 沖縄県辺野古基地に関する雑感


ひろゆき氏のツイッターより(@hirox246)


 2chの創設者で「論破王」と言われているひろゆき氏が、沖縄県辺野古を訪問し、そこで投稿した事が様々な物議を醸しています。


「座り込み抗議が誰も居なかったので、0日にした方がよくない?」


この発言に対して、沖縄県知事の玉城デニー氏は「現場で3000日余り抗議を続けてきた多くの方々に対する敬意は感じられない。残念だ」と発言、それについてひろゆき氏は「事実陳列罪で怒られました。」と返した事で更に炎上している様です。


 この沖縄辺野古ですが、四年程前に私は仕事の出張した時に、このテント前を通りましたが、その時には確かに誰もこの場所に居ませんでした。そこから見れば確かにひろゆき氏の言う様に、「不屈の云々日」というのもいかがなものかと思いました。


 このひろゆき氏の発言に対して、愛国者団体の一水会は「西村博之氏が辺野古の『座り込み』現場をひやかしたTwitter投稿が20万以上のいいねを集め、議論を読んでいる。冷笑はやる側が知的優位に立てたと一瞬の錯覚を齎す作用があるが、実際何の解決にもならない。中学生レベルだ。大人のウィットとはほど遠い冷笑がウケるのは、社会の病理とでも言うべきか」とコメントをしている様ですが、私が思うに単にひろゆき氏は事実を述べただけで、だからひろゆき氏も「『1日に1時間座り、土日は休み』という実態を『座り込み』と誇張する。事実を誠実に伝えるのではなく、誇張して騙される人が居る状況を問題だと思わない大人が多く居る事が社会の病理だと思うおいらです」とコメント、私もこのひろゆき氏のコメントには同意してしまいました。


 私はこの辺野古基地問題もそうですが、沖縄に未だ多くあるアメリカ軍基地の問題について、もし建設反対という事であれば、この反対する人達は運動の方針を転換すべき時期に来ていると思うのです。いくら座り込みを続け、ここで反対の行動を起こしピケを張ったところで、このアメリカ軍の基地建設に関する行動を止める事は出来ないと思います。


 ここで些末的な事は置いておきます。幾ら枝葉末節の事を言ったところで、こういった問題は解決に何ら寄与しません。


 一番の問題は、日本国という国家が、自国の安全保障問題では一切独自の発言権を持っていないという、現在の国の形にあると思うのです。


 太平洋戦争の後、日本はアメリカにとって「極東にある橋頭保」と位置付けられて来ました。その事から沖縄を中心として、日本各地にアメリカ軍の基地は置かれてきました。しかし1990年代に入り、ベルリンの壁の崩壊すると、それまでの東西冷戦の構造は解体され、結果として一時期は「世界一強」という事で、アメリカが世界に軍事的に君臨してきた時期もありました。

 しかし近年では2003年にゴールドマンサックス社がBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)と呼ぶ事から言われ始めた様に、世界の中で発展途上国と言われてきた国が力を持ち始め、現在ではアメリカ・ロシア・中国を軸とした多極化した国際情勢になって来ています。


 特に中国の経済的発展は目覚ましく、その経済発展を背景にして軍事的にも拡張を進め、世界的にも発言力を高めてきました。


「太平洋には中国と米国を受け入れる十分な空間がある」。これは2013年6月に、当時、新たな中国の指導者となった習近平氏が米国を訪問し、当時のオバマ大統領に伝えた言葉で、米中による太平洋分割統治論とも呼ばれていますが、ハワイを境に東太平洋を米国が、西太平洋を中国が統治するという考え方を発信しました。


 当然、この考え方は素直にアメリカに受け入れられるはずもなく、現在のバイデン政権も認めていませんが、中国として「列島線」という独自の構想を持って、この事を考えているのです。


 ・第一列島線:南西諸島から沖縄諸島

 ・第二列島線:小笠原諸島

 ・檀三列島線:ハワイ諸島


 この構想からすると、南西諸島から沖縄諸島は「第一列島線」にあたり、アメリカと中国の狭間で最前線に位置づけられるものとなります。


 沖縄県ではこの米軍基地の件について、ホームページで「軍事的・地理的な理由から、沖縄に基地が集中するのは仕方がないのではないですか。」という設問を設け、以下の様に述べています。


「沖縄の米軍基地の立地に関し、日米の閣僚経験者は、「軍事上、沖縄の位置は特別ではなく、政治的・経済的な問題である」旨の発言をしています。」


 この発言は何時の頃の発言かは判りませんが、昨今の中国の軍事的なパワーバランスや、中台国境の緊張の高まりなどを考えた場合、現在の沖縄県の位置というのは、軍事的にも極めて重要な場所であり、アメリカ軍の中で即応部隊として位置づけられる海兵隊の基地が中心になっている事を考えると、そう簡単にアメリカが沖縄から基地を移設する事には同意しないと思います。


 そしてそもそも自国の軍隊を持たず、日米安全保障条約により、軍事的な事をアメリカに依存している日本国が、果たして今のアメリカにモノが言えるとも思えないのです。


 以前にロシアのプーチン大統領が2018年12月20日に、安倍(当時)首相と会談した際、日本側として北方四島を返還した場合、そこにアメリカ軍の基地は置かないという事を発言した時には「日本の決定権に疑問がある」として、そこで交渉が決裂したのは有名な話です。日米安全保障条約には、アメリカは自由に日本国内で基地を設置できるとしている以上、今の日本政府にはその様な決定権がないのは自明の理です。


 だからもし、沖縄県の基地建設を他県に移設し、少しでも沖縄県の負担を軽減するのであれば、日本国として軍事的なイニシアチブを取れる国になる必要があると、私は考えているのです。またそれなくして、沖縄にある様々な基地問題を抜本的に解決する事は出来ないでしょう。


 最近では、政見与党の自民党や公明党の議員の中でも「敵基地攻撃能力」について、言及する人達も出て来ていますが、そこで議論をされているのは、軍事装備的な所謂「ハードウェア」の議論ばかりです。国防の軍事に関しては、ハードウェアの整備は重要かもしれませんが、そのハードウェアを活かすも殺すも、重要な事としては国民の理解や意識に基づく「ソフトウェア」の整備がとても重要だと思います。しかし今の日本では、この「ソフトウェア」の議論は一切為されていませんし、その為の歴史観や国の指針の検討すらままならない状況です。何故なら「軍事」「国防」を公に語る事は「タブー̪視」されており、そのタブー視される雰囲気を醸成しているのは、沖縄県辺野古で反対活動している人達に代表される「(日本的)リベラル勢力」に他なりません。


 いま日本はそういった意識変革を求められる時代を迎えているのではないでしょうか。


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