top of page

23/01/15 敵基地攻撃能力の可否


 あけましておめでとうございます。本年もよろしく願いします。

 早速ですが、昨日のニュースでは以下の事が報道されていました。


日米首脳会談、同盟の深化方針で一致 岸田首相は敵基地攻撃能力保有などを説明、バイデン氏は防衛力強化を歓迎


 首脳会談の写真で、岸田総理はご満悦の表情をしていますが、果たしてご満悦な表情が出来る状況なのでしょうか、今の日本の安全保障の状況は。記事を読むと以下の事が書かれていました。


「首相は会談の冒頭、敵基地攻撃能力の保有など防衛力の強化や防衛費の大幅な増額の方針を説明した。中国などを念頭に「両国はかつてないほどの厳しい、複雑な安全保障環境の中にある」と述べ、「新たな方針が日米同盟の抑止力、対処力を強めることにつながる」との考えを示した。」


 確かに今の中国は覇権主義が強く出ていて、実際に南西諸島方面で航空自衛隊のスクランブル回数が増加しています。また中国とロシアが共同演習をしている事もありますので、緊張が高まっている状況です。この状況の中で「防衛力の強化や防衛費の大幅な増額の方針」をアメリカに対して説明したそうですが、そもそも自衛隊は軍隊ではありませんし、日本国民も、そもそも「戦争」を理解出来ていない法律ののです。


 その状況の中で装備を強化し、その為の防衛費を増額したところで、果たして本当にそれが「防衛力の強化」につながるのでしょうか。


 自衛隊の隊員は「特別国家公務員」です。自衛隊は軍隊ではないので、行動全般は日本国内法の下で動く組織です。簡単に言えば、区役所で仕事をしている公務員が、軍隊の装備を持ち、軍隊の規律で動いているだけで、その実体は単なる国家公務員の組織でしかありません。また自衛隊は官僚組織であり、法律の下で動く組織ですが。現在では人員も不足しているので、様々な問題が内在しています。これについては、最近起きた海上自衛隊の護衛艦「いなづま」座礁の問題について、自衛隊の元幹部である人がYoutubeで考察している以下の動画を観ても解ります。



 果たしてアメリカのバイデン大統領に、防衛力強化を報告した岸田総理は、こういった事いついて、どれだけ認識し理解をしているのでしょうか。


 自衛隊とはある意味で戦争放棄を謳った現行憲法下において、「専守防衛」を謳っている国が「守る能力もあるぞ!」という様な事を諸外国に示す為に、言葉は悪いのですが「張り子のトラ」の様に作られている公務員組織です。これを他国も保有している様な「正規の軍隊組織」とする為には、国民の理解がとても重要になるのですが、日本国民の中ではこの理解が全く進んでいないと私は感じています。


 果たして国民の理解が進んでいない、この「張り子の虎」の組織に設備を揃えて予算だけ増やせば、本当に中国やロシア、また北朝鮮に対する「抑止力」を持った組織になるとは、私は思えないのです。


 まあアメリカから見たら、そんな日本の国内事情に関係なく、もし極東有事の際にしっかりとアメリカ軍の下で「下請け」できる「兵隊」が揃っていれば良いだけなので、当然、今回の岸田総理の発言内容は歓迎されるでしょう。


 でも果たして日本国として、それで良いのでしょうか?


 私は今の日本国内の「左翼」と言われる人達の様に、単に「憲法九条」を守り抜けば、日本は戦乱から回避できると考えるほど、楽天家ではありません。もし中台有事になれば、恐らく自衛隊はそこに関与せざるを得なくなるし、日本国内の各地にあるアメリカ軍施設は当然、攻撃対象にもなる事から、国民が無傷で終わる訳ではないと考えています。しかし、では今回の岸田総理の発言に有る様な、単に装備を充実し予算を取れば事足りるとも考えていません。


 世界の歴史を顧みれば、国民が戦争を望まなかったとしても、一旦事が起きれば当該国の国民は否応なく巻き込まれるのが戦争だという事は理解できるはず。


 今こそ本当は、この国防という事についても、日本国内で地に足を付けた形で、国民の中で広く議論されるべき事だと思うのですが、どうも日本国内の政治家やマスコミ、また政府官僚や政策立案するシンクタンクでも、そういう議論を出来る土壌を国内で醸成出来ない様に思えます。もしかしたらそういう能力が無いのかと思ってしまいます。


 これはとても危険な事ではありませんか?


 よくよく考えるべき内容だと、私は感じてなりません。


閲覧数:8回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page