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22/07/02 参議院選挙について


(写真引用元:毎日新聞)  投開票日が7/10で、現在参議院選挙が行われています。参議院議員の任期は6年ですが、3年毎に半数の議員の選挙が行われます。参議院の定数は248名で、うち100名が比例代表で選出され、148名が選挙区で選出されますが、今回はその半数が改選という事で、比例代表で50名、選挙区で74名が選出される事になります。


 改選となる議員の人数は大した人数ではありません。しかし考えなければならない事があります。


 前回の衆議院選挙(2021年11月)やその前の東京都議会議員選挙(2021年7月)を見ても、投票率の下落は止まりません。今回の参議院選挙でも公明党の支持組織である創価学会では比例区や選挙区で危機感を募らせているようですが、私が思うに選挙の投票率が下がれば、組織票などの固定票を持った候補にとって追い風の様になりますので、このままでは今回の参議院選挙に於いても、それほど大きな変化があるとは思えません。


 また衆議院選挙では、その獲得議席によっては政権交代の可能性もありますが、参議院選挙では、その結果が直接的に政権交代につながる事にもなりませんので、その意味でも今回の参議院選挙への関心度は低くなっているのではないでしょうか。


 私なりに今回の参議院選挙の意義を考えてみましたが、今回の選挙は岸田内閣に対する信任度を測る選挙ではないでしょうか。

 岸田内閣は前回の衆議院選挙の直前に、前菅内総理の後を受けて岸田総理が指名され組閣、その直後の衆議院選挙でこの内閣は信任されたという形になっています。しかしそれから半年以上経過しましたが、世界は今年はじめにロシアが起こしたウクライナ紛争を切っ掛けに不安定さを大きく増しているのです。

 岸田総理は就任してから、前回の衆議院選挙は1か月程度しかなく、内閣発足したと言ってもなにも明確な動きや実績は出していませんので、前回の衆議院では評価のしようがありませんでした。半年以上経過した中での今回の参議院選挙は、岸田内閣やそれを支える自公連立与党に対する信任が問われる選挙だと私は思います。


◆民主主義は面倒な制度

 選挙の度に「誰に投票して良いかわからない」という意見を耳にします。確かに一人の国会議員が行える事には限りもあり、その議員や所属する政党が何を公約に掲げたとしても、それは実現される事は殆どないでしょう。


 ただし民主主義において政治的な姿勢を表明する事は、国民が行わなければならないのです。アメリカに於ける選挙でも、政権政党の行っている政策がOKなのか、NGなのか、国民が投票という行為を以って時々の政府に示しています。


 確かに各政党や各議員はそれぞれ公約を掲げていますが、国政選挙で大事な事の一つには、現政権の行っている政策が「OK」なのか「NG」なのか、国民は責任をもって政治家に対して示さねばならない事だと私は考えています。だから「誰に投票しても」という言葉で投票権を放棄してはいけないのです。


 また政治とは多くの人の利権が絡む事です。利権という言葉を言うと、例えばゼネコンや大企業などへの利益誘導の話の様に聞こえるかもしれませんが、それは違います。  国には様々な人が生活し、仕事をしています。そこで人はやはり自分の家族や、その家族の生活を支える為に利権を求めるものなのです。そういう多くの人達との間で、この利権の調整を図る事も政治の役割なのです。


 この事を理解できれば、政治の世界には「BEST」という事は存在しない事は理解できるでしょう。あくまでも選挙に於いて国民は「BETTER」を選択しなければならないのです。


 思うにこの様な事を各個人が考えながら、立候補している議員や政党を選択しなければならないので、やはり民主主義という制度は国民にとっては、甚だ面倒臭い作業だとも言えるでしょう。


 そうなのです。民主主義とは本当に面倒臭い主義なのです。


◆独裁政治や専制政治の苗床

 また忘れてはならないのが、近代史を省みると、独裁政治や専制政治の苗床に民主主義という制度はなってしまう可能性を秘めているという事です。


 近代の人類史の中で暗黒史として語られるドイツに於けるナチスの台頭などは、民主主義が苗床となって成立した事は有名な事実です。また明示的に国の名前を挙げませんが、現代にっても専制政治を行う政府が、その専制政治の政治権力の正統性を示すために民主主義は利用されています。


 だから民主主義では、国民が政治的な関心をしっかり持ち、政治に対する意識を高めて政治を監視し、選挙という制度ではしっかりとした判断の元で態度を示す必要があるのです。


 しかし近年の日本においては、選挙における投票率は下落を続けています。実はこれはとても危険な事なのです。


 日本の歴史を顧みると、独裁政治や専制政治というのは存在しません。日本で過去にあったのは、戦前の政治の姿を見ても解る様に、それは官僚的な無責任政治です。そしてここ最近の日本の新型コロナ対策や、その外の経済政策、また国防関係の政策を見ても、まさに官僚的無責任政治が姿を現している状況ですが、この大きな要因は近年つづいている投票率の下落傾向を見てもわかる様に、日本人社会の中にある民主主義が機能不全になっているからではないでしょうか。


 いま日本に必要なのは、この民主主義という事を多くに人が再認識する事です。それをこのまま放置すれば、恐らく近い将来、日本の政治は過去にあった官僚的無責任政治がますます横行する事により崩壊し、その結果、国民の生活や安全も崩壊していく可能性が大いにあるのです。


 あと参議院選挙の投開票日までは1週間となりました。ここでどれだけ投票率が上がるのか、私は注視しています。何故ならばその投票率の動向こそが、これから十年先二十年先の日本の姿を示す事になると考えているからです。

 確かに日本の政治状況は危機的なレベルに達しています。しかしそれにより苦しむのは政治家等の一部の人以外の、多くは庶民層と言われる人達なのです。そうであれば政治的なシラケを如何に排して、国民の一人ひとりが政治的な姿勢を選挙という行動で示して行けるのか、そこに日本の未来が掛かっているというのは間違いないでしょう。



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